2012/12/19

新日本国憲法草案


 みんな笑顔でウルトラハッピー!
 俺には大地の霊が必要だ! 身体をコンクリートに擦り付けて生命を感じる。赤い息吹を思想で解きほぐす。ゆるゆると神棚が解体され、跡地から踊るようにハイエースが飛び出して行った。なるほど、これがピエタか。今なら分かるぜ。今、俺の手には槌があるからな。その為の右手、その為の拳。インターッネットを抜けると雪国であった。夜の底に顕現する世界真理の輪郭を習字筆でゆっくりとなぞる。黒人女が騒がしい。祝のケーキに業務用洗濯機を混入させたのはこいつだ。僕はそのことをエリックに聞かされていたが、彼女を責めるようなことはしなかった。僕の趣味ではないからだ。僕は黒人女の首に手を回し、そっと抱き寄せる。黒い肌に染み付いたコイーバの煙を覆い隠すようなオレンジの香水の香りが鼻腔をくすぐる。勝利の鐘が鳴り、星条旗がマングローブ林にそびえるロマネスク様式のモスクの頂上に掲げられた。黒人女が夜の底に溶けて消えて行くと、次にモーツァルトが堂々と登場した。僕が顔をしかめると、モーツァルトも眉をひそめて、腹を立てて退場してしまった。安堵を感じる。折りたたみテントの傍に待機させていた馬は舌をだらりと下げて荒く呼吸をしていた。胎動を感じる。ようし、今こそ本当の復活祭を始める時だ。両親には申し訳ないが、僕は英霊の囁きを耳にした。頭を叩く音も聞こえてくる。ちくしょう、しまった、これは陰謀だ! 得体のしれない巨体だ。こうなってしまったら太陽を信仰しよう。身体をもってけ!セーラーふく化せよ。それが第一に必要なことだ。カタカタとつま先からボングが駆け上る。脳に薬物が流れ込むと僕は再びコンクリートに身体を横たえて、槌で大学生の頭を殴った。なるほどみんな笑顔でウルトラハッピーだぜ。


 オォウン!
 僕は馬だ。
 力強い馬だ。
 大地を駆けるぞ。
 オォウン! オォウン!
 僕は力強い馬だ。
 地面を蹴飛ばすぞ。
 オォウン! オォウン! オォウン!