風邪を引いたりお腹の調子が悪かったりした時に母親がよく作ってくれていた料理があった。
たまごごはんという名前で呼ばれていたそれがとても好きだったのだけれど、実家以外で同じような料理を見たことがない。飲食店でも見たことがないし、インターネットでも見たことがない。おそらく独自の家庭料理だと思われる。
それは卵かけご飯ではない。母親がコンロの上の雪平鍋でそれを作っていたのを見たことがある。少なくともうっすら火が通っているので生卵ではない。
それは卵雑炊でもない。白米を僅かに火の通った卵の黄身でコーティングしただけのものである。黄色いご飯だった。
シンプルすぎる料理なのでわざわざ母親にレシピを聞くのもなんだかなあと思いつつ、長年の夢であった母親レベルのたまごごはんを作れるようになったので再現レシピをここに記しておく。
レシピ
具材
- 卵: 1つ
- ご飯: 茶碗1杯分
- 冷やご飯やレンチン前のパックご飯で構わない。手軽であればあるほど良い
- 白だし: 好きな量。大さじ1/2程度?
- 味が濃いのが好きなので多いかもしれない
- 水: 鍋の底が埋まるくらいの少量
- 料理酒にすると豊かな気持ちになります
レシピ
- 卵をしっかり混ぜて溶かしておく
- 鍋に水を敷いて中火で沸かす。沸騰してきたら弱火にする
- ご飯を鍋に入れて、雑炊にはならないくらいうっすらふやかす
- ふやかし具合は好みだが、雑炊の一歩手前くらいの硬さで良い。1分くらいでいいのではないか。
- 火を止めて、素早く溶き卵を回しかけてご飯全体に馴染ませる。粗熱でうっすら半熟(半熟の半熟というか1/4熟というか……)くらい火を通す。
- 白だしを入れて味を整える
- 茶碗によそう
- れんげや木のスプーンで食うのが風情でしょう。どこの?俺んちの……
- 白だしの味が薄いと思ったら後がけしましょう。白だしは無限に美味い。何にでもめんつゆをかけようとする人を揶揄してはならないのです。
アレンジ考
- 鶏肉やつみれを事前に加熱しておいてからご飯を突っ込んでも美味しいよ
- 汁無し雑炊みたいなもんや
- しいたけも良いかもね
- 刻み青ネギが合う気がしたけど、白だしの風味を邪魔するのであんまり良くないかもしれない
- 白ごまや刻み海苔をぱらっと回しかけるくらいなら良いかもね
- でも本質としては白だしとうっすら半熟卵の優しさに包まれるための料理であり、余分な味を足すのはいずれも無粋な気もする
思うところ
- 比較的保存がきく食材だし、食材調達も簡単だし、作るのも簡単だけど、鍋に張り付いたうっすら半熟卵を洗うのは少しだけダルい。提供までの手軽さに全振りしたような料理だ
- 卵は賞味期限内のものを使いましょう。うっすら半熟なので生食のようなものです。生食できない卵でこれをやるのは自殺行為でしょう
- 風邪の時に食べるものとしては非常に優秀だと思います
- でも野菜ほしい気持ちはあるよね。カット済みのグレープフルーツとか添えると良いと思います
- 体調が悪い時にこれを欲しがっていたガキの俺は、非常にお手軽に大喜びしてくれるチョロいガキだったと言えるでしょう