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2018/12/09

2018年遊んだSteamゲーム

2018年1月14日 Life is Feudal: MMO

中世ヨーロッパをベースにしたオープンワールドMMOがどのような結論を生み出すのか、我々は『EVE Online』『アーマード・コア5』を通じて理解していった。
一つの世界に人が大勢集まれば、そこには様々なコミュニティ、生産体制、経済、流通網、そして抗争が自然発生する事となる。そんな世界で一旗揚げようと、我々はたったの数名でこのゲームをプレイし、既に構築されている圧倒的な経済規模の国家群とその間の政治的抗争に度肝を抜かれ(具体的には、集落のような場所に近づくとフル武装の騎士が馬の上からデカい剣を振り回しながら牽制してきたり、実プレイヤーのみで構成された大蛮族地方で慈悲の欠片もなく虐殺されたりする)、一週間も経たない内に投げ出すことになった。
このゲーム内で何が起こっているのかを知りたければ、この日誌を参照すると良いだろう。本物の経済と政治と戦争の記録が記されている。

2018年1月20日 Mandagon

チベット仏教をベースにしたドットアートの無料の2Dアクションだが、どうにもそうした世界観に共感出来るだけの感受性はもはや私の中には残っていないようだった。

2018年1月8日 RIOT

2013年に発表されたこの暴動シミュレーションゲームへの期待度は、2014年ウクライナ騒乱を経て爆発的に増していた。全世界の人間がこのゲームを待望していたはずだ。だが、度重なる延期を経てめでたくアーリーアクセスが可能になった頃には、長期の開発によって高度に複雑化したシステムを理解するだけの熱意は残っておらず、簡単な暴動をいくつかシミュレートし、ふうん、そんなもんよね……という気持ちだけが燻るのであった。

2018年2月23日 Cypher

もしももう一度大学で何か一つの学問を修める事が出来るなら、僕はこのゲームの為に暗号学を履修するでしょう。

2018年2月3日 The Red Strings Club

人間の精神状態を自在に操作することが出来るようになった世界で、幸福というものは一体どのように定義されるのか、というテーマはもう100000回くらい見てきた気がしますが、それでもやはりハイクオリティなドットアートで表現されるサイバーパンクの世界で、ゲームという形式を通してそれを問われるという経験はやはり格別な味わいを生み出すものです。 サイバーパンクバーテンダーゲームというゲームジャンルは 『VA-11 Hall-A』 の為だけに用意されたものだと思っている人々は今すぐ思い直してください。それは『VA-11 Hall-A』と『The Red Strings Club』の為だけに(あるいはいずれ『N1RV Ann-A』の為にも!)存在しているのです。

2018年4月28日 Cliff Empire

地表が核兵器によって汚染され、万年雪の高山地帯の崖の上に都市を築いていくシミュレーションゲームだが、ジオラマ的なビジュアルに力を置きすぎたせいかシミュレーションゲームとして満足のゆく作品になりきれなかったのと、完全に『Frostpunk』と被ってしまったのが悔やまれる。

2018年4月28日 Frostpunk

オタクは極限状況下と極寒の世界とスチームパンクと都市シミュレーターが大好きなのはみなさんもご存知の通りで、貴重なゴールデンウィークをすべてこれに投じた記憶がある。 定石を理解しないとまともに都市機能を回していけないというシビアさもさることながらクライマックスに-100℃の大寒波が必ず訪れるというシステムはこの世界観ならではのもので、これまでの「犠牲は最小限に抑えて当たり前だし、上向きに発展して当然」というプレイ感覚を「犠牲は出て当然で、発展させるのは一人だけでも生き残らせる為」に塗り替えられるという体験はこのゲーム以外では味わえないものです。

2018年4月28日 Minit

1分で死ぬ主人公を操作して、という説明の時点でまあ絶対に面白いに決まっているじゃないですか。 余談ですが類似する作品としては『片道勇者』を思い出すんですけど、この話題を2018年に出すのは犯罪だとは思うので、これ以上は何も言いません。

2018年6月23日 Assassin’s Creed Syndicate

僕は老人なので『Assassin's Creed』シリーズはエツィオコレクションを超えることはないと思っているので、新作が出る度に1、2年のスパンを置いてから購入することにしているんですが(3000円くらいになるし)、大抵の場合はもはや新作に対する期待感が一切なくなってて、よっぽどシナリオが上手いかアクションそのものが楽しくない限りは長くは続かない、そして Syndicate でロープランチャー(これは本当に楽しいギミックだ!)よりも馬車での移動のほうが高速であることに気づいた時、このゲームに対するモチベーションはすべて失せてしまった。 ヴィクトリア朝時代のロンドンという人類史上最も美味しい時代を Syndicate が不完全燃焼のまま使い潰してしまったことを心から惜しんでいます。

2018年6月23日 Night in the Woods

大学を中退した猫が失意のうちに故郷のクソ終わった炭鉱街に帰還してエモくなる話で、設定の時点で最高の作品であることがわかっており、中途半端に英語で遊ぶよりも日本語化を待つべきだ、という判断でセールになっていたのを購入した所、めでたく playism が日本語化予定ということで、今一番期待している作品です。

2018年6月23日 The Vanishing of Ethan Carter

『Painkiller』や『BulletStorm』の開発メンバー(遊んでないけどめちゃくちゃ懐かしい気持ちになる)によって作られた、探偵モノ寄りのアドベンチャーゲームだと思ってたんですが突然宇宙空間にぶっ飛んだり、オカルティックな要素が増えてきたあたりで、これは期待していたようなシャーロック・ホームズめいたミステリー作品じゃないぞ、と気づいてきた辺りでプレイを中断してしまった。なんか突然宇宙空間に飛ぶタイプの(たぶんクトゥルフ神話あたりを引用した)アドベンチャーゲームに興味がある人には向いてるんじゃないでしょうか。

2018年6月25日 Doki Doki Literature Club

ヘイヘイ! モニカ

僕たちの愛は、初めから傾いていた

まるでピサの斜塔のように

でも塔はいまでも建っている

キミもここに立っている、僕も立っている

いやあ本当にいい曲ですね。
いやまあ本当はユリとなナツキのほうが好みなんですが、とにかくこの作品が日本国外で作成されたという事実に敬意を評します。諸々のファンメイドスピンオフとか全員マッチョになるやつとかもやりました。みなさんもやりましょう。
ただまあこれを『君と彼女と彼女の恋。』と同列に論じるのは間違いで、ここから先は面倒なオタクの意見になるしクソネタバレになるんですけど、ゲームの最終的な結末を選ぶことが出来る人物が異なっていて、DDLCは彼女が、ととの。はプレイヤーが操る事ができる。ととの。はプレイヤーがヒロインを選び、ヒロインごとに選んだヒロインに対するプレイヤーの態度を問い詰める。一方でDDLCは彼女が展開するゲームの世界をあるがままを受け止める。ヒロインがゲームシステムを操作してプレイヤーを陥れる、という展開そのものは共通していますが、決してその結果「誰が最終的に選択するか」という点においてはDDLCとととの。は異なっているし、DDLCの光っている点は「ヒロイン自らが後ろに下がる」点だと思ってます。これは日本国内のエロゲ事情を含めても、今まで出てこなかった展開だな、という点で本当に素晴らしい作品です。
ちなみに、DDLCと一番近くに位置している作品は、ゲームではないですが、 RAINBOW GIRLだと思ってます。

2018年6月27日 The Awesome Adventures of Captain Spirit

これは『Life is Stranger』という人類史上最も優れたゲームシリーズの最新作こと『Life is Strange 2』の前日譚的なスピンオフ作品で、『Life is Strange 2』に登場する異能を先取りして、これが現代アメリカのクソど田舎においてどのように作用するか、というのを実験的に、それも楽観的に描いた作品です。父親が朝ごはんのスクランブルエッグを作りながらビールを飲んでいたとしても、小学校の教師が家庭環境調査のために自宅訪問をしてきてたとしても、男児の頭の中には広大で自由な夢想の世界が広がっており、その夢想はあるいは現実に作用を及ぼすのではないか、という現実と想像が曖昧な年齢の男児が、現実世界においてある種の超能力を見出してしまう話。結末はなく、すべては『Life is Strange2』に委ねられています。

2018年6月6日 Vampyr

『Life is Strange』の開発メンバーによって作られたスチームパンクヴィクトリア朝時代を舞台に、吸血鬼でありながら医者である主人公の職業倫理を主題に据えた作品で、絶対に面白いんですが、これを英語でプレイしても4割くらいしか味わえ無さそうなので、日本語化されるまではお蔵入りです。

2018年7月14日 Hacknet

俺はスーパーハカーだよ

2018年7月7日 Shape of the World

こう、アーティスティックな勢いで登山するゲームで、ジャンルとしては壺おじさんとあんまり変わりないです。強いて言うなら演出がエモい。 でもやっぱりこういうゲームはやりきっちゃうんで、登山ゲーというのは人々の心を掴んで離さない、というのがわかりますね。

2018年8月22日 Hentai Girl

60円を払ってえっちなパズルをやっていたら3000個の実績を解除することが出来たので感謝です。

2018年9月1日 SCUM

なんというかサバイバル系オープンワールドみたいなの、システムを発展させていくと空腹度とか肥満度とか膀胱のアレとかそういうのを管理し始めてしまうみたいなのがあるけど、やっぱりPUBGくらいが一番丁度いいんだな、って気持ちになる。せめてオープンワールドではなく一本道ゲーでこのステータス管理をやれたらもうちょっと没頭できたんだろうな、と思う。Metroシリーズはすごいですね。

2018年9月22日 Ring of Elysium

無料でPUBGの後釜っぽく雪山でサバイヴ出来るゲームがあるという話で数プレイしたけど既にPUBGすら遊んでなかったんで、ああ、そうですね、という気持ちだけが残った。

2018年9月23日 Stardew Valley

マルチプレイが遂に実装されたということで、満を持してプレイしたところ、まずは村人を全員女性にするためのMODを入れて、オキニのNPCと結婚を狙う、という事をやっていたけれど、これをR-18ではないゲームでやっているという事実に耐えきれなくなり、次の日に何故か『ダンジョンタウン ~遺跡の森と夢魔の薬~』を購入して全クリしました。

2018年9月2日 Grand Theft Auto V

なんかクソ安かったしバーチャルおばあちゃんが遊んでたので買ったけど、iPhoneかなんかを爆破させるイベント終わったんでよっぽどのことが無い限りやらないと思います、完全に時期を逃した。

2018年10月13日 Helium Rain

宇宙船を操作して交易網を構築していくSF宇宙交易シミュレーター。色々出来るということは、プレイヤーを広大な荒野の真ん中に放置するという事と同義である。

2018年10月20日 Return of the Obra Dinn

2018年ベストゲームアワードを授与するならこれの他には無いだろう。 開幕20分で追体験出来るあまりに陰惨な終焉のシーンといい、その終焉に至るまでの経緯を死体の記憶を経由して一つずつ収集していく淡々としたゲームシステム、レトロなグラフィックデザイン、容赦の無い展開、各船員の出自に応じた行動、それらの上に複雑に張り巡らされた伏線、そしてそれらを一つずつ解き明かしていく快楽、最後にはすべて理解がいくようなストーリーテリング。それは私達が小規模のゲームに求めていたものである。

2018年10月6日 Project Highrise

久々にハードなシミュレーターをやりたい気持ちになって、ビル経営シミュレーターを購入した。ビジネスオフィスビル、高級マンション、ショッピングビル、ホテルなど、色々な選択肢を選択しながら無理やりなビル改装を繰り返して顧客が不満を抱かないようにビルを増築していくゲーム。これを真剣に繁栄させようと思うと途方も無い時間がかかると思う、僕は10階建てのホテルを構築して、併設の中流階級向けの飲食店が軒並み逃げ出したあたりで諦めた。

2018年10月7日 Life is Strange 2 - Episode 1

『Life is Strange』は徐々に洋ドラ的な展開でヘヴィな結末を各EPごとに叩き込んでくる形式でしたが、LiS2はEP1から倫理観に対する大きな問題を提示しており、もうこれは今後のEPを待つ他にないです、はやく全部リリースして欲しいとしか言いようがないです。 みなさん割と『Life is Strange』自体は盛り上がってるけど、スピンオフとか続編とかに対するアンテナが低くて僕はちょっと怒ってます。

2018年11月10日 Thief Simulator

人々はみな泥棒が好きだ。可能であれば、近所の金持ちそうな家庭に忍び込んで高級な電子機器やアートや家具などを盗みたいと毎日思っているだろうし、警官という制度がいかに億劫な存在なのか、身をもって理解していることだろう。しかしこのゲームの中では君は自由だ、罰則を恐れることなく自由に窃盗や強盗を行うことが出来る。見返りは? 新たな窃盗スキルだ。

2018年12月1日 Montaro : RE

Twitterで2018年最も購入すべきゲームだという意見を見かけて購入して、なるほどね、という気持ちを抱き、そしてプレイ時間43分という記録が刻まれた

2018年12月8日 Celeste

孤独感やパニック障害をテーマにしたモチーフはまあそうですねという感じですが、それらが寛解していく時の演出がステージのギミックと連動してるのは確かに唸らされるものがある。 みなさんが壺おじさんで盛り上がっている間に本物の登山ゲームが登場したというだけで僕は嬉しいです。ちなみに1785回死にました。

2018年12月9日 11-11 Memories Retold

『Valiant Hearts The Great War』を求めてこのゲームをプレイするのは間違いだ。それほどお伽噺に満ちてもないし、泥臭い仕事ばかりが待っている。

2018年12月22日 Assassin’s Creed Origins

Origins というサブタイトルからは Assassin's Creed シリーズを新たに再構築するという強い意気込みを感じる。その取り組みが成功したかどうかはわからないが、新たな門出を祝福しないわけにはいかないだろう。

2018年12月22日 Kingdom Come: Deliverance

中世ヨーロッパでガチンコオープンワールドFPSを作るという偉大な目論見は、多くのバグと共に無事にその目的を達成することが出来たと言えるだろう。 時折信じられないようなクエストが発生することもある(衛兵と一緒に20分かけて街を歩くだけとか)が、中核となるシナリオは心躍る復讐劇だし、異様な執念を感じさせる装備アイテムの数々や乗馬システムはやはり見事である。Kickstarter開始からずいぶん時間が経った気がするが、Warhorse Studioはオープンワールド黄金時代の終幕に相応しい作品を残してくれたのではないでしょうか。

2017/11/19

2017年度Steam履歴(+2016年度)

まだちょっと年末には早いですが。

2017年

2017年1月6日 Wallpaper Engine

デスクトップ背景に動画が流れていると……嬉しい!!!!

2017年2月25日 theHunter™: Call of the Wild

まっとうな文化人であれば誰しもが雪の冠を頂いた雄大な山岳を遠方に広大な湖水地での鹿狩りに興じたいと思ったことがあるだろう。このゲームはそれを実現させてくれる偉大なゲームだ。

『theHunter』自体は2009年から存在しているゲームで、かつて3日分ほどの時間をその美麗なグラフィックと鹿とのチェイシングに捧げたことがあったが、本作はこれまでの中核となるゲームシステムをそのまま引き継ぎつつも、現代において他に追随を許さない自然描写とリアルなハンティングと幾つかのバグを提供してくれる。

欧州中部の自然保護狩猟地区のHIRSCHFELDEN HUNTING RESERVEでは目眩がするほど鮮明な色彩の紅葉した森林の中を駆け巡る事が出来るし、LEYTON LAKE DISTRICTでは巨大な熊との手に汗握る果し合いが体験できる。まあ、大抵の場合、コツさえ掴んでしまえばただの作業になるのだが。

2017年4月16日 PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS

今更紹介など不要だろう、これまでのF(T)PSの中でプレイ時間が長い作品を上から順に並べていくと、L4D2、CoD:BO, PUBGとなり、現在もなおランキング更新中である。

2017年8月23日 The Shrouded Isle

とある村のカルト教団の人身御供を運営していくシミュレータで、印象的なグラフィックと舞台設定が特徴的だが、この歳になってくると運営系のシミュレータに新鮮さを感じる事は不可能だ。

2017年8月26日 Brink

Brinkの無料開放はとてもセンセーショナルなニュースだった。

ワクワクしながらインストールし、5時間ほどプレイし、RAGEの事を思い出して、アンインストールした。

2017年8月26日 OLDTV

いわゆる脳トレのジャンルの一つとしてよくある、表示されている文字と色が合致しているか否かを延々と判断するゲームだが、この作品にはある種の挑戦的な意欲が凝縮しており、プレイヤーを手のひらの上で踊らせようとする策略と演出に満ちている。

音楽、映像、インタラクション、このゲームのすべての要素において、脳みそをフル回転させながらブッ飛んでいく必要があり、今年度最高のアドレナリンゲームとしてOLDTVは(無料ながら!)誕生した。
ナビゲータが存在しないゲームの仕様を一つ一つ暴き立てていくという行為は、誰かが入念に作り込んだ、隅々まで血の通った緻密なパズルを解き明かしていく事と同義であり、このゲームはそうした一つの冒険に他ならない。

2017年9月1日 Meadow

日々の激務に追われ、残業帰りにふとSteamで見つけた作品は、私の目には『けものフレンズ』と同等のプリミティヴ故の純朴なコミュニケーションが可能なある種のユートピアとして映った。

meowと鳴き声を上げながらログインし、ゲームの全貌もわからぬままだだっ広い草原を歩き回っていた私の前に現れたのは一匹のフランス人のアライグマで、彼はぴょこぴょことジャンプしながら私についてくるように言った。私は彼についていった。様々なアーティファクトのようなものを手に入れた。アライグマの彼はこの土地のことをよく知っているようだった。土地だけではなく、歩き方も。次第に私は複雑な感情を表現できるようになった。アライグマの彼とは、ほとんど人間同士、いや人間同士のそれよりもずっと高度に互いの心を通わせる事が出来た――マップが切り替わる。ゲームがフリーズする。私はゲームを閉じ、それ以来起動していない。

……アライグマの彼は今でも元気にやっているだろうか? それだけが気がかりだ。

2017年9月2日 Life is Strange: Before the Storm

2016年で最も優れているゲームを一つ挙げるとしたら私は躊躇なくLife is Strangeを選ぶだろうし、たとえ開発元が変わったとしても、2017年で最も優れているゲームを一つ挙げるとしたらLife is Strange: Before the Stormを選ぶだろう。

LiSは時間を巻き戻す能力を持った主人公の奇妙な物語であったが、本作はそれより過去の、特別な能力なんて何一つ無いただの不良少女の物語である。

彼女の鬱屈とした日々と同じように、このゲームのインタラクションはどれも面白味のないものばかりだし、プレイヤーに可能なのは彼女の会話を選んで周囲の反応を変更することだけだ。何一つ心躍る要素などはない、それ故に彼女が見ている世界を直截的に理解することが出来る。ゲーム性と主人公の物語を極限まで連動させることに成功した数少ないゲームの一つとなっている。

現在は全3エピソードの内エピソード2までがリリースされているが、既に定められた物語としてどのような形に終着するのか、全米国人が待望している事であろう。

2017年9月13日 Rainbow Six Siege

PUBGに飽きてきて、やはり本作をプレイすべきではないかと思い始めて購入したが、首が痛くなるまで見上げる必要のある複雑な定石の山を前に、果敢に足を踏み入れていくだけの体力は我々には無かった、ただそれだけだ。我々は異国人であった。

定石をみっちり教えてくれる人さえいればもっと遊べるのだろうが、残念ながら私の交友関係は狭い。

2017年10月1日 RUINER

平沢進! 忍殺及びブレードランナー的SFアジア世界観! スピーディアクション! スローモ! 全部がこの作品には揃っている。

RUINERが短編作品としてリリースされたのは戦略的に間違いなく成功だったし、これがもし重厚なストーリーの超大作を志向していたとしたら、間違いなく風呂敷を広げて霧散していくだけの作品に成り下がっていただろう。

そういう意味では現代の小規模開発におけるヴィジュアル中心のゲームとしての魅力を存分に満喫させつつ、程よい没入感でプレイヤーを満足させるお手本のようなゲームだった。

引き際をわきまえている作品はとてもお行儀がよろしい、という和のメンタリティが存分に発揮されている作品である。

平沢進の音楽をバックに、サイバーシティ中に散らばっている猫の行方を追いかけるのは、何物にも代えがたい体験だった。

2017年10月14日 BLADENET

胡乱げな日本語に惹かれて購入したが、今はこの作品を返金しなかった事を深く反省している。

2017年10月21日 Black The Fall

現実世界の歴史的経緯を一つの風刺として描いた作品というのはどれも珠玉で、心地よいレベル感のゲーム性と感傷的な当時の白黒写真が画面に映るだけで私は満足してしまう。

2017年10月21日 Carpe Diem: Reboot

Carpe DiemがRebootして帰ってきた、それだけで私はEyziに拍手したいくらいだが、各種音声付属、登場人物の増員等、様々なスケールアップを経て帰ってきたCarpe Diemだが、未だに英語を読むのが面倒でプレイしていない。

冒頭3分で前作のエンディングが行われたところを見るに、この作品は真にCarpe Diemの正統な再始動としての役割を担っている事は間違いない。

2016/01/07

Yuri on Steam

 現在Steamで配信されている百合ノベルゲームをご紹介致します。
 なお、百合の定義は極めて曖昧なのでこれも百合だろミソッカスといったご意見がありましたら@hiekiまでリプライを頂ければ個別に判断した後に追加したいと思います。

 多分発売日順。





 日本語版アリ、¥198。
 中国発のノベルゲーム。
 個人的には性交渉にまで及ぶとそれは百合ではなくただのレズビアンだ、みたいな面倒くさい感情があって(だから僕は桜Trickが駄目だった)、ビジュアルノベルというジャンルが勃興したばかりなのに百合エロゲーがひしめくSteamの中で、このShan Guiは一服の清涼剤のような存在だ。
 穏やかなピアノメインのBGMに合わせて、鍾山の鮮やかな夏の日差しに映える草木の香りに思いを馳せ、都会の生活に疲弊した女子大生が奔放に自然を謳歌する少女とのひと夏の心の交流を交わす様を読み進めるのは素晴らしい経験だ。
 ちなみに、作中でも鍾山にはWikipediaへのリンクが張られてある。『最果てのイマ』もびっくりのソリューションだ。



日本語版ナシ、¥980。
 公式配布パッチを当てるとR-18要素が解禁されることで有名なSakuraシリーズのファンタジー編。
 未プレイ。Sakuraシリーズすべてが百合というわけではなさそうなので要確認である。




 日本語版ナシ、¥598。
 Asphyxiaは仮死や窒息を意味する語らしい。タイトル通り、ヘヴィでメランコリックな物語のようだ。レズレイプなどに衝撃を受ける、とレビューしている人間もいる。興味が出てきたぞ……。



 日本語版ナシ、¥0
 公式配布パッチを当てる必要すらないフリーのR-18ノベルゲーム。
 投げやりな設定に裏打ちされた乱雑な展開は昨今のSteamノベルゲーム事情を象徴していると言っても過言ではない。




 日本語版ナシ(音声日本語版)、¥980。
 みんな大好き『その花びらにくちづけを 出会った頃の思い出に』の英語版。残念ながらR-18要素は削除されている。Manga Gamerは『屋上の百合霊さん』で初R-18発売を飾る予定なので、もしかしたらR-18要素がいずれ追加されるかもしれない。だがまあ、ひとまずアニメを観る方が先だ。



日本語版ナシ、¥980。
 Asphyxiaの開発元、ebi-himeによる作品。それなりに好評らしいが、これだけ甘ったるすぎるビジュアルのゲームをプレイできるほど我々は若くない……。



 日本語版無し、¥0。
 Asphyxiaの開発元、ebi-himeの手によるエメライン・バーンズちゃんのかなしいおはなし。
 レビューを見るに、繊細かつ美的な百合らしい。推測するに、日常的になんとなく疎外感を抱いている19世紀英国貴族の女の子が、ややボーイッシュで前向きな女の子と運命的な出会いを果たし、なんやかんや目に映る世界が輝いてくるんだけど最終的にボーイッ娘は実は幽霊でしたサヨウナラでもあなたが成仏しても私は絶対にあなたのことを忘れないわ、そんな14才の頃の哀しい思い出を胸にエメライン・バーンズは自分の人生を一歩ずつしっかりと歩んでゆくのでした…finみたいな感じだろうか。泣くわな。
 ebi-himeのライターはかなり幅広いジャンルを手掛ける人間らしく、今後の動向に注目である。



 日本語字幕ナシ(音声日本語版)、¥3980。
 2016年2月13日は歴史に名を残す日となった。Liar soft開発の『屋上の百合霊さん』の英語版が、R-18のまま配信されたのである。これまで公式配布のR-18パッチを当てることでR-18版に切り替えられるゲームは幾つかあったが、公式でR-18のゲームが配信されたのはこれが史上初となる。ユリトピアの設立に尽力したMangaGamerは、SekaiProjectの一歩先を征くこととなった(が、パッチを当てずともR-18というのであればWritten in the Skyこそがパイオニアだろう。Kindred Spirits on the Roofの偉大な点は、エロゲーがエロゲーのまま輸入されたという一点だ)。
 Steamのレビューを見るに「The first uncut 18+ visual novel is released on Steam. Welcome to the future.」「"B-But we're both girls!" 10/10」などと歓迎されている模様。



 日本語字幕ナシ、\1480。
 スキャン感溢れる線画、100000回くらい見たことのある世界観……。




 日本語版ナシ、\980。
 アメリカ南西部をキャンピングカーで放浪するAmberと、ニューメキシコの砂漠のど真ん中でヒッチハイクをしていたMarinaのロードムービー風ノベルゲーム。R-18版も存在するようだが発見しきれていない。己の力量不足を嘆いている。(追記: 準備中なのだろうか?)
 クリア後に解禁されるGoofball Modeの馬鹿馬鹿しいノリは、明らかにネット上で集まったオタクたちで開発した作品でなくては醸し出せないし、そういう意味でHighway Blossomsは多くの人に愛される作品に成長するに違いない。
ちなみに、強気な茶髪と女性らしい金髪の組み合わせってとても秘封倶楽部な感じなので、僕にとってこの作品は秘封倶楽部アメリカ編です。

8/19 追記
 なんとめでたい事に、いつの間にか18+パッチが配布されていた
 追加シーン2種類、追加CG3枚を無料で配布する度量を見せたAlienWorksに対して、ユーザーたちからは惜しみない称賛の声が挙がっている。




 日本語版アリ、価格不詳。
 国産全年齢百合ノベルゲームの英語版がSteamしても何の魅力も感じないのは僕の人格の問題だが、シリーズ的にそこそこいい点数出してるみたいなんで期待してもいいんじゃないでしょうか。




 日本語版(非Steam)アリ、\980。
 京都(Kyoto!)を舞台にした和風伝奇モノ。有料R-18パッチアリ。同人ゲームとして頒布されたものが英訳されてSteamで公開されている。トレイラー冒頭のナレーションに「向日市、長岡京市」というワードが入っている為、信頼性は高そう。

Love Ribbon


 日本語版ナシ、\980。
 一人暮らしをしながら高校に通う主人公のもとに、突如として存在すら知らなかった傍若無人な性格の妹が転がり込んでくるというお話で、もう完全にふたりのクオリアですね(そうか?)。当然のように公式でR18パッチが配布されています。

 ちなみに、当然ながらSteamで配信されてはないものの海外で制作された百合ノベルゲームはまだまだ沢山あるみたいで、Sugar’s Delightなんかがそれだ(ドイツ製!)。
 そういうものに関しては「百合ゲーム時々、他事語り」氏が包括的なまとめ記事を書いているようなのでこちらをチェックされたし。

2015/12/30

2015年度Steam履歴

2015年1月5日 Don't Starve


サバイバルゲームとして見るならDon't Starveは極めて優秀なゲームだった。ダークなコンセプトは魅力的だし、クラフト要素も充実していたし、キャラクターMODも充実していた。しかし、僕はFPSオタクなのでサバイバルを楽しみたければMinecraftやRustやThe Forestなどを選ぶだろう。実際、Rustのマルチの民度の低さは極限状況下でのサバイバルを提供してくれる

2015年1月9日 Long Live The Queen



これについては既に過去の記事で言及しているので、特に言う事はない。素晴らしいゲームだ。

2015年1月9日 planetarian ~the reverie of a little planet~

 
日本のノベルゲームがsteamに参入した記念に買ったが未プレイ。気が向いたらやるかもしれない。ちなみにこの動画はPlanetarianとは関係のない画像が入り乱れたユニークなトレイラーだ。

2015年3月7日 Five Nights at Freddy's

 
Five Nights at Freddy'sは既にホラーゲームとして確固たる名声を得ているし、実際のところ、インタラクトを最小限にすることでプレイヤーの無力感を演出するゲームシステムはホラーゲームとして素晴らしいものだ。暗い部屋に独りでプレイするのは不可能に近いし、続編も買いたくない。しかしながら、和洋問わず、ホラーゲームには裏設定を充実させる風潮があるのは何なのだろう。

2015年4月25日 Narcissu 1st & 2nd


無料だったんでつい……。

2015年4月28日 Risk of Rain


やはりこのゲームついてはPew Pew Pewしか言うことがない。好きなだけPew Pew Pewすればいいのだ。

2015年5月2日 Killing Floor 2


かの名高いKilling Floorの続編が発売され、多くのFPSerは狂喜し、アーリーアクセスという制度に罵詈雑言を吐いたことだろう。ステージが一つしかないCo-opに一体何の価値がある?

2015年5月11日 Magicite

 
言うなればMagiciteはRPG版Terrariaなのだが、そもそも僕はTerrariaがあまり好きではないし、RPGを遊ぶ体力もない。それに、精巧で華美なドット以外のドットゲームに価値を感じないのだ。彼らは一体いつまでレトロなドットに惹かれ続けられるのだろうか?

2015年5月17日 Euro Truck Simulator 2


 Euro Truck Simulator2は我々に心躍るようなトラック運転エクスペリエンスを約束してくれる。デュッセルドルフを拠点にチューリッヒまでトラックを走らせ、湖畔のほとりに佇む静謐な教会を眺めるのは何物にも代えがたい感動だ。もし君がヨーロッパ中でトラックを運転したいと願うのであれば、豊富なDLCがそれを手助けしてくれるだろう。アメリカでトラックを運転したいのであれば、American Truck Simulatorを購入すべきだ。
きっと、これからトラックシミュレーターはNeed for Speedやグランツーリスモたちと比肩する程のジャンルになるに違いない。いすゞのトラックを運転しながら「走れ、走れ、いすゞのトラック」と口ずさむ日が近いうちにやってくるだろう。

2015年5月21日 Knights of Pen and Paper


 僕はこのゲームを買った記憶が無いし、このゲームが一体何のゲームなのかも知らない。別にトレイラーを見ても遊びたいとは思わない。バンドルパックを買い漁ってるとこういうことが多々ある。

2015年5月21日 Victoria II


戦略シミュレーターを遊びたいと思った時期があるのは事実だが、これを買った記憶はやはり無い。日本語MODが出たら遊んでも良い気がするが、日本人はこのゲームの存在を知っているのだろうか?

2015年5月21日 War of the Roses


これも記憶に無いが、オンラインは面白そうに見える。人さえ残っていれば。

2015年5月21日 Magicka


Magickaが有名なゲームなのは知ってるが、僕は買っていたのかと驚いている最中だ。

2015年5月21日 Hearts of Iron III

 
把握すべき情報量の多さと操作画面の細分化は、全シミュレーターにとって悩ましい課題だろう。僕はHearts of IronⅢの為にこのクソみたいなバンドルパックを購入したが、1時間あまりで諦めてしまった。

2015年5月21日 Impire


マジで何。

2015年5月21日 Crusader Kings II


ストラテジーゲームというのは、それがストラテジーゲームであるだけで少しだけ魅力的に思える。


2015年5月21日 Ship Simulator Extremes Retail

(He's a Pirateが地の底から響くように聴こえて来る) 男たちは船に乗る。船を操り、荒波をかき分け、海を渡るのだ。
Ship SimulatorはAssassin's Creed Black Flagと同等の興奮を我々に約束する。
小型ボートから大型石油タンカーまでの幅広い船をサポートし、広大な海原を駆け巡る夢を与えてくれるのがこのゲームだ。嵐を乗り越え、静寂を取り戻した水平線から昇る曙に君は心を打ち震えさせるだろう。ちなみに僕は未プレイだ。起動しようとするとクラッシュする。
2015年5月21日 Teleglitch


ドットグラフィックの小粒なゲームには、得てして開発者の驚くような知恵と冒険心が詰め込まれているものだが、あいにくこのゲームを買った記憶はやはり無い。

2015年5月21日 Sengoku

Total War: Sengokuがおま国で買えないという現状に腹を立たせる事はできるが、Sengokuに思考スペースを割くほど我々は暇ではない。
2015年6月4日 Dirty Bomb

TitanfallにもCall of Duty: Advance Warfareにも乗り切れなかった僕が流れ着いた先はDirty Bombだった。
基本無料課金制のFPSに僕が一体何を期待してしまったのかは今でも理解できないし、要はプレイヤーがいるマルチのゲームで銃をバンバン撃てたらそれでよかったのかもしれない。最低限の要件は満たされた。それ以上のものについては何も得られなかった。ちょっとの時間を潰せただけだ。
2015年6月13日 Valiant Hearts: The Great War

第一次世界大戦に翻弄される家族の行方を描くという脚本が我々の涙を誘わない訳がないが、それ以上に充実したアートワークや第一次世界大戦の資料がこの作品の魅力を最大限に高めている。僕はオタクだからツェッペリンが登場するだけでそのゲームを過大評価してしまう節があるが、そのような贔屓目を抜きにしてもこのゲームは絶賛されるべき作品だし、実際に絶賛されている。
2015年6月16日 The Banner Saga

僕はこういうフラットなカラーリングの絵がとても好きで、風にはためく真っ赤なマントだけでThe Banner Sagaには購入するだけの価値がある。各所のレビューが好評というのは確認し、たまにはシミュレーションRPGも悪くはないと自分に言い聞かせ、Steamで購入し、日本語化MODが開発されることを祈った。ただそれだけだ。ちなみに今確認してみると日本語化プロジェクトは無事に完遂されたようだ。いつかやろう。
2015年6月16日 Bioshock Infinite


Bioshockシリーズでありつつもナンバリングを外すことで、Bioshock Infiniteは明らかにラプチャーからの逸脱を図ろうという挑戦的な意欲を見せていたし、その試みは実際見事に成功した。空中都市に張り巡らされたレールを飛び回るアクションはそれだけで最高にエキサイティングだ。もちろん、その素晴らしい脚本や巧妙な伏線の張り方はゲーム業界で永遠に語り継がれるだろう。
2015年6月16日 The Stanley Parable

The Stanley Parableについてレビューを書くのは大変困難な仕事であるが、この画像を見ればおおよそ理解してもらえるだろう。我々がメタという言葉に憧れを抱いていた頃の理想がこのゲームでは実現されている。
2015年6月17日 Door Kickers

こんなん面白いに決まってるじゃん、というのを実直に再現したゲームは、最初の20分は楽しめるのだが、やはり2時間以上遊ぶことは出来ないということを改めて我々に思い知らせてくれた偉大な作品だ。いや、面白かったけど。
2015年6月23日 Assassin's Creed Black Flag Digital Standard Edition

Assassin's Creed Black FlagはAssassin's Creed 3の海戦システムをオープンワールド化して、王道ながらも実直なシナリオで我々を楽しませてくれた。大作というのはこのようにあるべき、という理想像を提示してくれた。就職活動時に海賊になれたら、と僕がどれだけ願ったかは想像に難くないだろう。
2015年6月26日 Portal Stories: Mel

2015年のMODの中で最も完成度の高い作品だったのは間違いないが、元祖Portalのプレイヤーを答えに導くステージデザインがどれだけ優れていたかを痛感せざるを得なかったし、僕はエンディングにたどり着くことが出来なかった。
2015年7月3日 NotGTAV

世間はGTA5の発売日を眼前に熱狂の渦に包まれていた。確かに、あの時のRockstar Gamesは世界のすべてを掌握していた。コンシューママシンなんて持っていない僕を置き去りにして。僕はGTA5に無視されていた。そんな時にこのNotGTAⅤは登場し、イカした車と暴力とハードなBGMというGTAの本質を見事に抉り抜いてみせた。NotGTAⅤは2015年で最もクレバーな皮肉で我々を楽しませてくれた。
2015年7月7日 Infinifactory

このゲームの特徴を言葉で表現するのは難しいが、言語の通用しない宇宙人のもとで奴隷として工場のベルトコンベア回路を組み続ける作業に言語は必要ない。誰よりもサイコパスな回路を組んで、製品を運び続けるだけでいい。Youtubeに生息しているサイコパスたちの回路は我々の脳にかつて無いほどの刺激を与えてくれるだろう。僕がもぐらライクな生物をパック詰めする回路を作っていた時、アウシュビッツ強制収容所の設計者と同じ気持ちを味わうことが出来た。これは自慢だが、Youtube上には僕の回路より高速でもぐらを精肉加工出来る回路は存在しない。
2015年7月8日 Only If

僕はFreeplayのアーティスティックな一人称視点のゲームを見かけるとついダウンロードしてしまう病気に罹っている。楽しめた事はない。

2015年8月18日 Life Is Strange Episode 1

Life Is Strange Episode 1はアメリカ在住の思春期の少女の視線をエモーショナルにゲーム化した作品で、その制作スタンスはGOTYの最もインパクトを与えた作品部門を勝ち取るに相応しい。唯一難点を上げるとすればEpisode 1のシナリオはトレイラーですべて描かれきっているという点だ。実際、Episode 1はLife Is Strangeのあまりに贅沢なイントロダクションに過ぎない。
2015年9月19日 Call of Duty: Ghosts - Gold Edition

僕はこの作品について何も言いたくない。幾つかのクールなシチュエーション、退屈なシナリオ、人のいないマルチプレイヤー。
2015年9月21日 Anarchy Arcade

10分でダウンロードし、5分だけ遊び、即座にアンインストールした。
2015年11月8日 Age of Empires II HD: The Forgotten

このゲームは古典で、シェイクスピアみたいなものだ。
2015年11月10日 Written in the Sky

Good Lesbian Sex Makes Good Man.
2015年11月28日 Please Don't Touch Anything 
ニークな着想から生まれたゲームは、起動した20分後にはエンディング蒐集へと変わってしまう。
2015年11月28日 Wolfenstein: The New Order

僕はDoomやWolfensteinなどのFPSを切り開いた古典作品をプレイしたことがなくて、その正当な続編と言われるとどうしてもDuke Nukem Foreverの悪夢を思い出してしまう。しかしながらWolfenstein: The New OrderはオーソドックスかつアグレッシヴなFPSとして、FPSの本来の魅力を改めて我々に教えてくれた。ナチのイカれた幹部たちのキャラクターはこれでもかと際立っていたし、レジスタンスの面々も十分にキャラ立ちしていた。そしてそれを上手に料理した。何一つ文句のないアメイジングな作品だ。
2015年12月1日 The Beginner's Guide

The Stanley parableの制作者Davey Wredenは今や最も期待される人物となった。彼のゲームに対する真摯なスタンスは、Steamセールの荒波を耐えぬく内に失ってしまった我々のプリミティヴな感情を呼び覚ましてくれる。
2015年12月12日 Carpe Diem

これについてはもう記事を書いたはずだ。

2015年12月12日 Carpe Diem - Extra Package 
この100円を安いと思える人間で常にあり続けたいと切に願う。
2015年12月24日 Hippocampal: The White Sofa

制作者がこのゲームのテーマは瞑想と精神世界だ、などと言い始めたら我々は身構えなくてはならない。クソなゲームはクソとして受け止めよう。そういう教訓がこのゲームには詰まっていた。

2015/12/12

Carpe Diem

 ここ半年ほど、やたらとsteamに無料のノベルゲームが増えたように思われる。steamで何が起こっているのかは知らないし特に知りたいとも思わないが、一応記事を書いておく。


 とりわけ僕を驚かせたのは『Written in the Sky』で、このゲームは何となんかよくわからないけど、二人の美少女が性行為をするのだ。すごい。ストーリーは15分程度で、僕は全部スキップして実績を解除した。全実績を解除したのはこれが僕の人生ではじめてだ。
 しかしながら、フリーレズビアンセックスを容認するとはsteamもいよいよここまで来たのかと思わざるをえない。この文化が成熟して『カタハネ』のような記念碑的百合作品を生み出す日もそう遠くはないだろう。LGBT万歳。

 他にも軽く調べるだけで幾つか見つかる。




 すげー良い、アマチュア感全開で、これぞ人間の営みという感じがする。在野の人間の創作活動を漁るのはこれだからやめられない。商業化の波に襲われる以前の、プリミティブな人間の表現というものがここには残されている。
 『Voice from the Sea』はやや頭一つ抜けたクオリティな気はするが。次にプレイするとしたらこれにしよう。わりかし評判も良いようだし。

 そして今回僕がこの記事を書くに至ったゲームがこれである。

Carpe Diem

 カルペ・ディエムとは大きく出たもんだ。
 このゲームの総プレイ時間は全ルートで20分程度で、エンディングは1つ。僕はオートモードを駆使して錆びついてた包丁を研ぎながらプレイした。

 まずは表題の意味を丁寧に読み解いてゆこう。
 カルペ・ディエムは「メメント・モリ」「ヴァニタス」の言葉に続く最後の句で、とりわけバロック期の文化に深く影響を与えた語の一つである。
 メメント・モリ、即ちラテン語で「死を忘れるな」は比較的メンヘラのみなさんの間でそれなりに日常的に用いられる語なので馴染み深い言葉だが、西洋ではメメント・モリはヴァニタス、カルペ・ディエムへと続くようなニュアンスで使われるのが一般的だ。

これは死のイメージです。

 ヴァニタスとはラテン語で「空虚」を意味する語で、旧約聖書の「ヴァニタス・ヴァニタートゥム(虚無の虚無)」がよく引用されるらしい。人間とは誰も彼もがやがて死にゆくものであるし、それゆえに人生に永遠不変などは無く、全ては空しい。どれだけ現世で華々しいものを集めたところで何者も死から逃れる事は不可能なのである、といった意味合いで華美な花々や甲冑などと共に置かれた頭蓋骨が美術のテーマとして描かれることが多い。

これは空虚のイメージです。

 そしてカルペ・ディエムへと続くわけです。直訳すると「その日を摘め」、およそ「人間は死ぬんだしこの瞬間くらいは楽しんどけ! 酒も飲め!」くらいの文脈になる。古代ローマの詩人ホラティウスの言葉に登場する語句である。
 カルペ・ディエムという語において、人々は死や空虚などという振り払い難いものを転覆させ、日々を快活に生きてゆく強さへと変換していったわけである。すごいですね、立派ですね。諸行無常とか言って悲嘆に暮れてるジャップの皆さんとは大違いだ。

薔薇が枯れてしまう前に摘んでいる様子です。

 といった文脈に位置する「カルペ・ディエム」をタイトルに冠するとはいい度胸じゃないか、となるのがこのゲームである。果たしてこの作品には死や空虚を徹底的に強度へと変換するようなテーマ性が用意されているのだろうか? されてるわけがないんだよな…などと思いつつゲームを起動する。


 めっちゃプリミティブだ、良い…。



 物語はデートの待ち合わせにヒロインのAiが遅刻する所から始まる。ド定番である。今時、日本でこんな冒頭を採用しようと思う人間はそういないだろう。





「待たせちゃった?」
「イェア、30分くらいな」
 日本だと「全然大丈夫だよ」とフォローする所を平然と時間まで告げるハードな主人公である。
 しかしヒロインはヒロインでド痴女みたいなファッションだ。
「今日はどこへ行こうか?」



 ショッピングモール、公園、ゲーセンの三つからプレイヤーは行き先を決めることが出来る。このボキャブラリーの少なさが作者のオタクらしさをありありと表現しており、実に味わい深い。余談だがこの選択肢がプレイヤーの関与しうる唯一の要素である。
 ちなみに、ショッピングモールに行くとその後にゲーセンに行き、公園に行くとその後にショッピングモールに行き、ゲーセンに行くとその後に公園に行くこととなり、作者の見事なシナリオ節約の手腕が遺憾なく発揮されている。



「この服とか似合うんじゃない?」
「いらないよ」
「いいじゃん、(テメエはオタクだから服買わないし)私が買ってあげるからさ!」
 という健気な献身っぷりを見せるヒロインに対し、会計をしている間に一人でPCストアへ行くクソ主人公。これは衝撃的なエンディングの伏線となっている。

 本屋ではAiちゃんは料理本を探す。


「ねえ、どんな料理が好きなの?」


「時々あんたに作ってあげるからさ」


ブフ・ブルギニョン


「ワオ、イカすじゃん。ベーコンエッグから初めてみない?」

 主人公のクソ鬱陶しい返答にも平然と返すAiちゃん。本当に良い子である。
 ショッピングモールを歩きまわるのにも飽き、二人はゲームセンターへと向かう。そこで、AiはUFOキャッチャーの景品の巨大な蜘蛛のぬいぐるみ(違うかも)を見て可愛い!欲しい!と騒ぐ。やや可愛いの基準がズレている系の設定らしい。


「このクレーン壊れてるでしょ!」
 Aiは何度も挑戦するも、全て失敗する。


「馬鹿言うなよ、ほら、俺が取ってやる」


…俺はあまりUFOキャッチャーが得意じゃない。





「獲った!」
 何とかなった。
「ワオ、どうやったの!?」
「簡単さ。」
 知っている全ての神に祈ったのさ…。

 キザで鼻持ちならない男である。



 そうこうしている内に日は暮れ、夜景を見渡せる小高い丘のベンチに座って花火を眺める二人。なんでもない休日かと思いきや、都合よく花火が上がっているらしい。この実にチャチな背景が良い味を醸し出している。僕の一番のお気に入り画像だ。
 主人公はこの時間が永遠に続けばいいのに、と願う。


 だが、もう時間が無い…


 彼女は悲しげな顔でこちらを向いた…


「時間、なんでしょ?」

「アンタは私と付き合うべきじゃなかったのよ」


「言うな」


「結局、私はただの――」
 画面が暗転する。


…なあ、チューリングテストって知ってるか?
 これは「アルキメデスの原理って知ってるか?」のパロディなのだろうか。

機械の知能に関するテストで、どれだけ素晴らしい機械も人間のようにはなれないんだ…どれだけ人間にそっくりだったとしても、だ…
それは決して本物の人間にはなり得ないんだ…
そう…


ちょうど、Aiみたいにね。


彼女のプログラムがどれだけ優れていようとも。


どれだけ俺が否定しようとも。


彼女は決して現実にはなれないんだ。


「あー」


「まーたクラッシュしちゃったよ」


「はやく安定版の修正をしなくちゃな…」


「…」


「俺は一体、何をやっているんだ?」


読んでくれてありがとな!
俺のノベルゲームプロジェクトを支えてくれたみんなに感謝だぜ! ほな、次の作品でな!
- Eyzi

「実績を解除しました!」



な、マジで何やってんだろうなあ…

















これが100円か…


なるほどね。